(この文章は元の中国語の 她不记得,他不放弃--《掟上今日子的备忘录》 を和訳されたものです。)
あらすじ
いつも様々な事件に巻き込まれる隠館厄介はいつも彼を救い出す探偵ーー掟上今日子に出会った。
どんな原因なのかわからないが、今日子は一度眠ると、その日に会った人と出来事を全部忘れるようだ。
しかし彼女に惚れた厄介はこれらのことを気にせず、毎日彼女と「初対面」をしている。彼女の好きな謎を持ってきて、彼女を側で見守って、忘却探偵掟上今日子の備忘録になってしまったのだ。
感動してたわ!
厄介の『50回目のファースト・キス』
第一話で厄介の名前を聞いた時、私は頭の中で最初にこの単語を習ったときの場面を思い出した。それは、『ガリレオ』の湯川先生が内海刑事が持ち込んだ事件に対して「厄介だな」という場面だった。湯川先生はそう言いながらも、声が冷静で落ち着いている。本当に頼もしいわね。
厄介は名前が言っているように、いつも厄介な事件に巻き込まれるんだ。しかし今日子に助けを求めるたびに、いつも内海刑事が湯川先生に助けられるように、事件を解決してもらっている。
そして、厄介は映画の『50回目のファースト・キス』のように、忘れられると知っているのに、今日の今日子を大切にして、彼女が楽しく毎日を送れるようにしている。
そのうえ、ホームズの助手のワトソンと同じように、探偵とともに事件を解決し、事件のことを記録して、『Kの備忘録』を書いた。
この備忘録は最終回で今日子が二人の間に起こったことがわかるようになりて、自分のアイデンティティを取り戻すには大いに役立っていた。
やはり恋愛ドラマですね。
今日子の『グラウンドホッグデー』
毎日記憶をリセットされる今日子は、同じ人に会っては同じ判断をして、同じ場面にいては同じことをする。もっと言えば、昔の事件が再現された現場にいては、同じ方法で事件を解決しようとする。
彼女はまるで映画の『グラウンドホッグデー』の逆の生活を送っているようだ。いつも同じ日を生きている彼女に対して、ほかの人は記憶が増え続けるのだ。彼女はまるでゲームの中のNPCになったようだ。
この日にどんなに嫌なことがあったとしても、一度眠ると全部忘れられて、トラウマとか全然残らない。
その一方で、この日にどんなに素晴らしくて、感動させるようなことがあったとしても、一度眠ると、全部忘れるのだ。
なんと残酷な設定だろう。
印象的なお話
第五話の中で、今日子が大好きな推理小説作家が亡くなった。今日子は作家が亡くなる前に開催した最後のイベントに参加している。忘れるのに決まっている今日子がこのイベントを楽しめるように、厄介は色々な手段を使って、作家が亡くなったというニュースを隠していた。
ここで、厄介は今日子が今日残念なことを残さないように努力していた。そして最終回では、誘拐された今日子に「今日の一日を大切に」といった。
その一方、誘拐犯は明日のことばっかり言っている。どっちのほうが本当に彼女を心配しているのかは一目瞭然である。
主役の二人のほかに、今日子が好きな推理作家の須永昼兵衛の話も記憶に残るものである。
生涯未婚の須永は計100冊の推理小説を書いた。著作が背の高さよりもあるといってもいいだろう。その中の殆どはシリーズで、一部だけがノンシリーズである。今日子の推理によると、須永は早くに亡くなった恋人をノンシリーズの作品に書いて、小説の中の女の子が無事に大人になって、結婚をして、子供をもって、そして自然に老いるようにしていた。彼女は永遠に彼の作品の中で生きている。
ここまで見たとき、私は一瞬的に涙が出た。なんと純粋で永い愛だろう。
もう一つの話に、ある女子高生が厄介を殺そうとした。殺意を生み出す理由は、どうしても理解できないほど小さなことだった。普通の人は理解できないが、厄介は彼女を許した。しかも彼女を苦境から抜け出すように助けた。
この話をどう理解すればいいかわからなくて、いつも頭の中に出ているので、一応ここで記録しておく。
もし記憶がなくなる人が厄介としたら?
では、想像してみようか!
実は、今日子が記憶をなくすようになったのは、以前事件を解決したとき、一人の魔女を怒らせたからだ。
魔女は今日子を呪って、彼女が記憶を保存できないようにした。
真実を暴いた厄介は魔女に呪いを自分に移すことをお願いして、そして魔女に認められた。
この日からは、厄介には明日はなく、どんな日も同じ日のようだ。
しかし天才探偵の掟上今日子は真実に辿り着かないわけがない。
魔術のわからない彼女はどうすることもできなく、以前厄介がやったと同じように、また『50回目のファースト・キス』を演じていた。
そこで、彼女らの話に感動された魔女は、呪いを消すことはできない現実だが、呪いを彼女らに順番に呪いを受け継がせることはできた。
これで、二人にはいつも一人が今日のことが覚えられて、ついにハッピーエンド!